法教育講座[中高生(課外授業等)・その他学生向け]

中高生が知っておくべき「法のしくみ」と「考え方」をわかりやすく解説

【概要】
 法律的・合理的なものの考え方・センスを身に着けるための、中学生・高校生向け講座です。学校での課外授業やオリエンテーションなど、幅広くご利用いただけます。
 近年は中高生が犯罪やトラブルに巻き込まれる事件もよく聞きます。被害者・加害者どちらにもなり得ますが、どちらになったとしてもその後の人生や生活において大きなマイナスとなることは明らかです。できればどちらにもならないようにしたいものですが、そのためには普段から「見極める力」「想像する力」「主張する力」などを身に着けておく必要があります。
 例えばウェブサイトの閲覧中に巧妙な仕掛けに引っかかり「登録した」ということで料金の請求を受けた場合、それがアダルトサイト経由などであると親や先生に相談しにくい状況も考えられます。そして一人で悩んだ挙句、「自分でなんとか用意できる金額なら」と支払ってしまうこともあるでしょう。しかし、この時に「契約は、その内容をきちんと理解して、双方が合意しなければ成立しない」ということや「未成年者がした契約は、親権者によって取り消すことができる(後から親によって取り消されるかもしれない不安定な契約をまともな業者がするわけがない、つまり契約時に親の同意を求めない契約は維持できない)」などということを知っていれば、慌てることなく落ち着いて適切な対応ができるかもしれません。
 また、こんなことがあるかもしれません。 貸したゲームソフトをなかなか返してくれない友人がいて、彼の自宅に行った際にそのソフトを偶然見つけたので「ちょうどいいからと持ち帰った」場合、下手をすると窃盗罪に問われるかもしれません。本人としては「自分の物を取り返した」つもりで何も悪いことはしていないという認識だとは思いますが、法律が自力救済を禁止していることや、窃盗罪の構成要件が「他人の“占有”を犯す」ことだということを知っていれば思い止まることもできたはずです。
 他者との関係では、理不尽な要求をすることも・されることも、法律的な考え方やセンスが備わっていれば、安易に突き進むことを避けられダメージを抑えることができるはずです。
 悪いことをした相手をネット上でことごとく責め立てることや、約束を守らなかった同級生に罰として無理を強要することも、本人としては「悪いのはアイツだからこれぐらいは当然の報いだ」と言わんばかりの正義が芽生えてしまっているのでしょう。悪意のない間違った正義感に基づく言動は、悪いと認識しながら行う犯罪よりも質が悪く、暴走しやすく、ときに最悪の結果を生み出してしまうものです。そして、その代償として本人も法の裁きを受け、人生をかけてその責任を負うことになってしまうのです。
※新入社員・若手社員等向け社内研修へのご利用も可能です。(業種・部署等を考慮し て内容のカスタマイズ相談にも応じます。)
【講座の内容・題材(一例)】 ※内容・所要時間は事前打ち合わせにより調整可
●口げんかに負けない客観力 ~私、口げんかで負けたことがありません!~
 →あなたの周りには口げんかで決して負けない人はいませんか?もしいたとしたら、  その人はなぜ負けないのか考えたことはありませんか?
  口げんかで負けない人は、決して口が上手い・頭がいいという理由だけではありま  せん。なぜなら、明らかに悪いことをした場合はどんなに口が上手くても、頭が良  くても言い訳にしかならず、さすがにその罪をチャラにすることはできないでしょ  うから。
  私が思うに、「口げんかに負けない人」とは、「明らかに(自分が悪い)負けるケン  カはしない人」だと思います。逆に「口げんかで負ける人」とは、明らかに負けて  いるのに(周囲の人から見たら負けが明白なのに)ただそれを認めたくないだけで、  理不尽な屁理屈をこねていつまでも謝らない人だと思います。きっとそのような人  は、「負けていないと思っているのは自分だけ」で、実際は大きく信用を失ってい  ることにも気づいていないのかもしれません。
  誰かと口げんか(トラブル)になりそうになった時、事実と自分の主張と相手の主張  を客観的に分析し中立な目で見ることができれば、無謀な戦いは避けられます。相  手に向かって勢いで言ってしまった「(無謀な)屁理屈」は、それを正当化し続ける  ために「(もっと無謀な)屁理屈」を重ねなければなりません。それはいつか論点が  ずれ・極論に走り。破綻し、最終的には自分自身が苦しくなることは明らかです。
  一方で、自分が(客観的に見ても)絶対に間違っていないことや絶対に譲れないこと  は、全力で戦うべきです。
  トラブルが発生しそうになった時、「自分は正しいのか」「自分の要求や主張は妥  当なのか」を見極め、戦うべきかどうかを判断できる“客観力”は、「正しい自分を  守り、間違った自分を助ける」ことにつながります。無謀で不毛な戦いを避け、自  らをジャッジできる客観力を身に着けることで、自ずと着地点も見えてくるはずで  す。
  講座では、自らを客観視して自制・自己抑止する思考法と、その効果を身近で誰も  が何度も経験したことのある「口げんか」を題材にわかりやすく解説し一緒に考え  てみます。
●人と法令との関り ~生まれてから死ぬまで、常に関わる法令~
 →人は生まれてから死ぬまで、様々な法律(法令)に関わります。出生の届けに始まり  小中学校の入学・アルバイト・就職・結婚・離婚・健康・子育て・住宅の購入・年  金・介護・死亡…人生の様々な場面で知らないうちにも多くの法令に関わっていま  す。
  これらの法令を、人生の流れに沿って順に考えてみることでその意味や効果につい  ての本質的な理解を深めることにつながります。
  法令の意味と効果はもちろん、制定の背景や「その法令がなかった場合の不都合」  を考え、さらには「もっと良い定めはないか」までを自ら考えることで遵法意識や  社会全体の利益という視点の育成にも役立ちます。
●商売に関わる法令 ~営業許可・契約・従業員・トラブル…。自分と他者を守る~
 →高校商業科や商・経営・ビジネス系学部等の学生向けには、「商売」を題材にした  より実践的で関心を持ちやすい内容から「法令」を考えてみます。
  商売(事業)を始めるための「営業許可」から、取引先との「契約」、従業員を雇用  する際に関わる「労働関係法令」、そして起こり得るトラブルを処理するために関  わる法令など、現実の流れに沿って順に考えていきます。
  憲法で「職業選択の自由」を謳いながら、「なぜ一部の営業を行うには許可が必要  なのか」という法令の背景や意味・目的を考えることで、「公共の福祉」について  も想像を膨らませ、広い視野と総合的な理解につなげます。
 以上のように、年齢や属性等によってより関心を持ちやすい題材を用いて、事前打ち合わせによって内容や所要時間をカスタマイズすることも可能です。
 また、「講義形式」「グループワーク形式」「パネルディスカッション形式」など要望に合わせて選択できますので、様々な目的・シーンにあわせてご利用いただけます。
 課外事業や総合学習のほか、倫理道徳や社会科学系の授業等としても利用価値が高いと思われます。
【料金】
●基本料金(約100分・1講座)…(税別)50,000円
 ※講義形式にて受講人数100名程度までまたはグループ形式にて受講人数50名程度  まで(上記を超える受講規模の場合または形式指定等の場合は個別にご相談くださ  い)
 ※グループ形式等での追加講師(または講師アシスタント)等が必要な場合は、1名あ  たり(税別)20,000円~で承ります。
 ※実施会場が富山県東部以外の場合は、別途出張料等を申し受けます。
●継続利用割引(翌年以降の継続実施の場合)…翌年以降10%割引
 ※翌年以降同内容の継続利用について適用
 ※内容等については、年度に応じて若干の修正が対応可能です
 テーマ・内容・所要時間・講師&アシスタント人数・形式など、開催趣旨・方針やご要望により、打ち合わせの上ご提案させていただきますので、「お問い合わせ」等からご連絡・ご相談ください。
【コメント】
 当講座では、中高生が陥りやすい危険な状況を実例に近い形で紹介し、「どんな法令が関係してくるのか」ということを踏まえながら、「何が問題なのか」「どうすれば良かったのか」等を自ら考えながら、対策・対応することを学びます。他者からの指摘や強制力によって止められるのではなく、自らの中にある「客観目線(中立目線)」によって自らの暴走を止める、そんな「自己抑止力」の育成に主眼を置いていきます。
 学校や先生方の方針・要望等を踏まえてテーマやお題そして内容をカスタマイズすることもできますので、まずは一度ご相談いただければ幸いです。
 当サイト内の「お問い合わせ」からご要望等をお聞かせいただければ、テーマのほか題材・形式などをご提案させていただきます。
※受講者の属性・趣旨・所要時間・受講者人数等をお知らせください。